ヘム鉄って何?<鉄分不足に効果のあるヘム鉄とは>

日本人に不足しがちな鉄

 鉄は酸素と結び付き易い性質を持っているため、体の中では、脳や全身の細胞に酸素を運ぶ働きをし、エネルギーを生み出す際にも使われます。
 そのため、鉄は生命を維持するためには欠かせない栄養素なのですが、日本人にとって不足しがちな栄養素の代表格でもあるのです。
 特に、生理の際に大量の血液を失う女性や、胎児や赤ちゃんの分まで鉄分を摂る必要のある妊婦や授乳期の女性の鉄不足は深刻です。
 とはいえ、それは日本人に限った話ではありません。

 

 実は、若い女性だけでなく、日本人が全体的に鉄不足になり易いのには、日本人独特の食生活が関係しているのです。

 

ヘム鉄と非ヘム鉄

 日本人の食生活を思い起こしてみると、鉄分は、ひじきや海苔のような海藻類、納豆や油揚げなどの大豆製品、ほうれん草、小松菜などの青菜といった植物性の食材から摂ることが多いということがわかるはずです。
 もちろん、摂取カロリーなどの面から考えると、欧米人のような食生活は日本人の体質には合わない部分があるため、穀類や野菜中心の食生活自体は悪いことではありません。
 しかし、こと鉄分に関して言うと、含まれている鉄分の吸収率に問題があると言わざるを得ないのです。

 

 というのも、鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、植物性の食材に含まれる非ヘム鉄の吸収率は1〜5%程度しかないからです。
 それに対して、動物性の食材に含まれるヘム鉄の吸収率は10〜20%と高く、食べ物として摂取したら、そのままの形で体に吸収されるという点が優れています。
 また、非ヘム鉄は、腸から吸収される際に阻害を受けやすいというだけでなく、構造上鉄がむき出しの状態になっているため、胃壁や腸管を傷付けやすいのですが、ヘム鉄は、鉄ポルフィリン複合体として鉄の周りが囲まれた状態になっているため、食物繊維やタンニンなどの影響で吸収を阻害されることなく、胃壁や腸管を傷付けにくいというメリットもあります。

 

ヘム鉄はヘモグロビンの元

 非ヘム鉄は体に吸収させようとすると、ビタミンCや胃液によってヘム鉄に変換してやる必要があるのですが、ヘム鉄は食材から摂ったそのままの状態で吸収されてすぐに体の中で使うことができます。
 そのため、鉄分不足を補うのには、ヘム鉄の方が適しています。
 赤血球の中に含まれるヘモグロビンが不足すると貧血になるということはよく知られていますし、そのヘモグロビンの材料が鉄ということも広く知られています。
 ですから、貧血予防のために鉄分を摂ろうと考える人が多いわけですが、ヘモグロビンという名前の由来を知れば、ヘム鉄が体に吸収され易いということがもっと容易に理解できるかもしれません。
 なぜなら、ヘモグロビンは、鉄ポリフィリン複合体である「ヘム鉄」とタンパク質の「グロビン」の結合体であることを表す名前だからです。

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