鉄分が多い果物ってなに?ドライフルーツは良い?鉄分量を紹介!
女性は鉄欠乏性貧血になりやすく、およそ1割の人が貧血に悩んでいると言われますが、特に、妊婦さんは赤ちゃんに栄養や酸素を送るために鉄を大量に必要としますから、およそ4割の人が貧血だと言われているんです。
もちろん女性だけでなく男性も普段の食事から鉄分を補給したいところですが、レバー等は苦手な人が多いでしょうし、妊婦さんはつわりなどで満足に物が食べられない事も多いでしょう。
また食事だけではなかなか1日に必要な鉄分をまかなうのは難しいとされています。
そんな時、果物なら手軽に食べられるのではないでしょうか?
ここでは、鉄分の多い果物やフルーツをご紹介していきます。
今回は加工された果物や乾燥した果物(ドライフルーツ)も含んでいます。
このページの目次
鉄分の多い果物・加工食品13選
梅醤(うめびしお)
まず、最も鉄分が多いのが梅醤(うめびしお)です。
あまりご存知ない方も多いかもしれませんが、これは梅干を裏ごしして砂糖を加えて練ったもです。
梅干しは体に良いとよく言われますが、塩分が高くそんなにたくさん食べられませんよね。
ですが、梅びしおにすると塩分を気にせず、梅の栄養を十分に摂取することが出来ます。
あまり大量に摂取するものではありませんが、果物の中では断トツに鉄分が多く含まれています。
その量は、なんと100g中に7.0rとなっています。
鉄分の他には、クエン酸やリンゴ酸などの疲労回復効果がある有機酸が含まれています。
梅びしおのつくり方
梅びしおの作り方をご紹介します。
- 梅干を6〜8時間ほど水につけて塩抜きをします。
- 1をよく水気を切って、種を取って裏ごしします。
- 鍋に梅肉を入れ、梅肉に対して40%程度の砂糖を2回に分けて加え、弱火で混ぜて20分ほど煮上げます。
- ジャム状になったら、味醂を少量加えて照りをつけて完成です。
ぶどうジャム
次に鉄分が多いのがぶどうジャムで、100g中に3.3r程度の鉄分が含まれます。
ぶどうには他にも、抗酸化力の高いアントシアニンやレスベラトロールといったポリフェノールや、ミネラル類、有機酸などの成分が含まれているんです。
傷みやすいぶどうもジャムにすると日持ちするので良いですよ。
ただ、ぶどうジャムはカロリーが高いので、摂り過ぎには注意しましょう。
ぶどうジャムのつくり方
ぶどうジャムの作り方をご紹介しましょう。
- まず、保存用の瓶を煮沸消毒しておきます。
- 巨峰を房から外し、洗って皮と種を取り除きます。この皮と種も使いますから捨てないでくださいね。
- 巨峰の実400gと砂糖120gを小鍋に入れ、強めの中火で2〜3分煮、水分が上がってきたら実を取り出します。
- そこに皮と種を入れ、数分間煮て色を出します。
- 好みの色になったら皮と種をザルで取り除き、ぶどうの実を戻します。
- あくを取りながら20分ほど煮込み、とろみがついたらレモン汁を少々加えます。
- 煮沸消毒しておいた瓶に詰めて出来上がりです。
梅漬け
梅の実をシソの葉と共に塩や焼酎で漬けた梅漬けには2.9rの鉄分が含まれます。
ちなみに、梅漬けを干した梅干しは、2.4rの鉄分が含まれます。干す前の梅干しの事ですね。
これは干すことで鉄分が少なくなってしまうんですね。
梅干は塩分も高いですが、他の栄養素も豊富なので、うまく毎日の食事に取り入れましょう。
パイナップルの砂糖漬け
次に、パイナップルの砂糖漬けも2.5rの鉄分を含みます。
パイナップルは、その他にもビタミンCやビタミンB1、食物繊維などの成分が含まれています。
パイナップルの砂糖漬けのつくり方
- パイナップル4分の1個の皮を取り、芯もあれば取り除いて食べやすい大きさに切ります。
- そこに小さじ2の砂糖を振りかけ、30分以上置いて砂糖がパイナップルの水分で溶けて馴染んだら出来上がりです。
すっぱいパイナップルもおいしく食べる事が出来るのでおすすめです!
杏
乾燥させた杏には2.3rの鉄分が含まれます。
甘くて食べやすいので、空腹時に軽くつまむといいでしょう。
また、杏子にも鉄分以外に多くの成分が含まれています。
まず、とても多く含まれているのがβカロテンです。
発がんを抑える作用が強いβ-クリプトキサンチンも含まれています。
殺菌作用や疲労回復効果のあるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸も多く含まれていますし、チョコレートで有名になったギャバも杏子には含まれています。
ギャバには脳の血行を良くする効果があると言われていますから、認知症の予防などの効果も期待出来るんです。
干しブドウ
果物は干す事でさらに栄養が凝縮されます。
特に、最も身近な干しブドウには多くの栄養がバランス良く含まれているんです。
まず鉄分は、アンズと同じく2.3rが含まれます。
また、高血圧予防やむくみの解消に効果があるカリウムが豊富に含まれています。
さらに、肝臓の脂肪を溜めにくくするビタミンB6、丈夫な体を作る銅、三大栄養素の一つの炭水化物も豊富に含まれています。
竜眼
乾燥させた竜眼という中国原産のライチに似た果物にも1.7rの鉄分が含まれます。
乾燥ナツメやドライイチジク
乾燥ナツメやドライイチジクには1.5rの鉄分が含まれています。
グズベリー
生のグズベリーという果物には1.3rの鉄分が含まれています。
あまりなじみがないかもしれませんが、セイヨウスグリとも言われ、ジャムやゼリーの材料にされる果物です。
ドライバナナ
ドライバナナも栄養豊富なドライフルーツの一つです。
ドライバナナには1.1rの鉄分が含まれています。
ビタミンB6やカリウム、マグネシウムは生のバナナにも含まれている成分ですが、ドライバナナにする事でさらに食物繊維やビタミンAの含有量も増加します。
マンゴーやパイナップルなどは、乾燥させる事で水分と一緒に一部の成分が抜けてしまう事がありますが、バナナではそういったこともありません。
ドライプルーン
鉄分が多い事で知られるプルーンですが、これも乾燥させる事でさらに栄養価が高くなります。
抗酸化作用の高いカロテンやビタミンEも含まれていますし、ビタミン、カリウムやマグネシウムなどのミネラル、食物繊維なども生の時より多くなります。
とは言え、ドライプルーンには1.0rしか鉄分が含まれていません。。
プルーンは鉄分が多いというイメージがありますが、他の果物に比べると、実際にはそれほど多くはないようです。
その他
その他、生のラズベリーやアボカドには100g中0.7rの鉄分が含まれています。
フルーツを乾燥したものの方が鉄分が多い?
鉄分が多い果物をご紹介してきましたが、乾燥させたものの方が多いことにお気付きでしょう。
例えば、ドライバナナは1.1rの鉄分が含まれますが、生のバナナだと0.3rしか鉄分は含まれていません。
これは、乾燥させて水分を飛ばす事によって成分が凝縮されるためです。
鉄分を多く摂るためには、乾燥させた果物をうまく利用していきましょう。
果物の鉄分は吸収されにくい?
鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄の二種類があることは当サイトでも説明しています。
このうち、果物に含まれている鉄分は非ヘム鉄になります。
非ヘム鉄は、体への吸収率がヘム鉄よりも悪く、ヘム鉄の吸収率が15〜25%なのに対し、非ヘム鉄は2〜5%の吸収率しかありません。
非ヘム鉄は吸収率が低く、一緒に食べるものの影響も受けやすくなっています。
鉄を効率よく摂取するためにビタミンCを一緒に摂ることも大切ですが、果物にはビタミンCを含むものが多いですから、果物の鉄分はまだ吸収率が高い方だと言えるでしょう。
また、動物性タンパク質も非ヘム鉄の消化管内での溶解を促すなど、鉄分の吸収を高める働きがありますから、一緒に摂取する事をおすすめします。
出来るだけ肉や魚などと一緒にトータルで摂取した方が、効率は良いんです。
ただ、動物性タンパク質の中でも、鶏卵や乳製品のたんぱく質には鉄の吸収を高める作用は認められていませんから、一緒に摂取する食品は注意して選びましょう。