鉄分補給を妨げる食べ物・飲み物は?鉄分の吸収を阻害する成分とは
女性が陥りやすい鉄分不足。
そのため、小松菜やプルーン、レバー、マグロの刺身など鉄分の多い食品を意識して摂取している人もいらっしゃるかと思います。
しかし、鉄分の吸収を妨げるものと一緒に摂取していてはその努力も徒労に終わります。
このページでは、鉄分の摂取を妨げる食べ物や飲み物をご紹介します。
このページの目次
- 鉄分の摂取を妨げる飲み物って?
1-1.カフェインの入った飲み物
1-2.タンニンの入った飲み物
1-3.カフェインもタンニンも含まれないお茶って?
1-4.炭酸の入った飲み物 - 食物繊維も鉄分の吸収を妨げる!
- その他の鉄分吸収を阻害する成分
鉄分の摂取を妨げる飲み物って?
食事を摂る際に一緒に何かを飲む人も多いと思います。しかし、その飲み物が鉄分の摂取を妨げることもあるのです。
いくつかご紹介していきます。
カフェインの入った飲み物
カフェインは、コーヒー豆に含まれている事が発見されたためにその名前が付いた成分です。そんなカフェインには鉄分の吸収を妨げる作用があります。鉄が腸管から吸収されるのを阻害してしまうんです。
また、鉄だけでなくカルシウムなどのミネラルの吸収も阻害してしまう事が分かっています。
名前の由来通りコーヒーに多く含まれていますが、他にも緑茶や紅茶、烏龍茶、ココア、コーラなどにも含まれています。
タンニンの入った飲み物
緑茶や紅茶、ワインなどに含まれているタンニンも、鉄分の吸収を妨げる成分です。
タンニンは、鉄と結合するとタンニン鉄という物質に変化します。このタンニン鉄は水に溶けにくいため、腸で吸収されにくくなってしまうんです。そのため、タンニンと鉄分を一緒に摂っても、どちらも体の中に取り込まれにくくなってしまいます。
タンニンは高酸化力の強いポリフェノールの一種ですが、良い働きばかりではないんです。
鉄分を摂りたい時に、食事と一緒に緑茶やワインを飲むのは極力控えておきましょう。
先ほどご紹介したカフェインやタンニンは、コーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶など様々な飲み物に入っています。
では、カフェインやタンニンが含まれない飲み物にはどんなものがあるんでしょうか。
カフェインやタンニンがあまり含まれないお茶で、最も身近なものは麦茶です。
麦茶はノンカフェインの飲み物として知られていますが、タンニンもかなり少ないんです。
麦茶は大麦の種を煎じて作られたお茶ですから、茶葉から抽出するほかのお茶と違ってカフェインがなく、タンニンも少ないんですね。
他には、そば茶やルイボスティーもノンカフェインでタンニンもかなり少なくなっています。
炭酸の入った飲み物
他にも炭酸の入った飲み物も、大量に飲んでしまうと、鉄分の摂取を妨げます。
炭酸水やコーラ、ビールやスパークリングワインなどのお酒も当てはまりますね。
つまり、居酒屋でビールを飲みながら鉄分を摂るためにレバーの串焼きを食べてもあまり効果がないのです。
炭酸水を飲むなら、食事とは少し時間をずらして飲みましょう。
食物繊維も鉄分の吸収を妨げる!
女性には貧血の人も多いですが、便秘に悩む人が多いのも事実です。
便秘を改善するために効果を発揮する食物繊維ですが、実はこれも鉄分の吸収を阻害してしまうのです。
食物繊維を過剰に摂取すると、せっかく摂った鉄分が体外に排出されてしまいます。ただ、どちらも女性にとっては必要な栄養素です。
食事ごとに鉄分を補給する食事と食物繊維を補給する食事に分けて、同時に摂ることはなるべく避けるようにしましょう。
その他の鉄分吸収を阻害する成分
他にも鉄分の吸収を阻害する成分はたくさんあります。3つ見ていきましょう。
シュウ酸
ホウレン草やタケノコ、サツマイモ、キャベツなどを茹でた時に出てくるアクは、シュウ酸という成分です。このシュウ酸も鉄分の吸収を妨げてしまうんです。
シュウ酸も、鉄分と結合しやすい成分で、結合した後は腸から吸収されにくくなってしまいます。
ホウレン草は鉄分が多い野菜だと思っている人も多いでしょうけれど、同時にその吸収を妨げてしまう成分も含んでいるんですね。
ですから、ホウレン草は茹でてアク抜きをしましょう。ホウレン草のアク抜きをすると、7〜8割のシュウ酸は水に溶けだしますから、サラダ用のホウレン草以外は生で食べることは避けましょう。
リン酸塩
リン酸塩は、インスタント食品や加工食品、スナック菓子などに乳化剤・安定剤・防腐剤などとして添加される成分です。
これらの食品は健康に良くないと言われますが、鉄の吸収も阻害してしまうんです。
リン酸塩は、鉄と一緒に摂取すると鉄塩というものになってしまいます。これは水に溶けにくいものなので、腸から吸収されにくくなるんです。
健康のためにも、インスタント食品などを頻繁に食べるのはやめておいた方がいいでしょう。
フィチン酸塩
フィチン酸塩は、玄米やふすま、糠、大豆などの穀物の皮に含まれる成分です。
フィチン酸塩には、細胞の酸化を防いでがん細胞の発生・増殖を抑える効果や血液を凝固しにくくして血栓ができるのを予防する効果もあるんですが、鉄分の吸収を妨げるという難点もあるんです。
フィチン酸塩は、消化管内で鉄と結合して鉄が腸管から吸収されるのを妨げます。
ただ、フィチン酸塩に関してはビタミンCを一緒に摂取する事で鉄分の吸収率を高めることが可能です。
また、フィチン酸塩はヘモグロビンによって細胞まで運ばれた酸素を、そこでヘモグロビンから離すという機能を強化する働きがあるので、酸素運搬機能が強化され、貧血を予防する効果があると言われています。
フィチン酸塩は鉄分と一緒に摂取するのは避け、玄米はよく噛んで食べるようにしましょう。
ただ、発芽玄米のように発芽している場合は大丈夫です。