運動に鉄分が必要な理由とは?運動後に鉄分補給すべき?摂り過ぎも危険?

鉄分が不足すると貧血になってしまいます。
鉄は酸素を全身に運んでいる血液の材料となるものですから、鉄が不足すると体が酸欠になってしまうんです。
そして、鉄はエネルギーも作り出しています。
運動をする時にも、鉄分が必要なんです。
どうして、運動に鉄分が必要なんでしょうか。

 

運動に鉄分が必要な理由

体内にある鉄の6〜7割は細胞内のヘモグロビンに存在しています。
その他、2〜3割の鉄は貯蔵鉄として肝臓や脾臓などの中に蓄えられています。
赤血球の中にあるヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ働きがありますが、ヘモグロビンの働きはそれだけではなく呼吸やDNAの合成・修復、体内に侵入した異物の代謝など、酸素を使ったエネルギー代謝サイクルにも役立っているんです。
運動をする時には筋肉を動かします。そのためには、エネルギーと酸素が必要になります。
運動をして筋肉が増加すると、その増加に合わせた赤血球が必要になるため、その材料の鉄が必要になるんです。

 

運動後に鉄分補給するべき?

運動

 

スポーツ貧血という言葉があります。
スポーツ選手に貧血が多く見られるという事なんですが、その原因として溶血性貧血があります。
これは、マラソンやバレーボール、剣道や空手、スポーツではありませんがドラム演奏など、足の裏を強く踏み込む動きによって、足の裏の血管内で赤血球を踏みつぶしてしまう事が原因で起こる貧血です。
それによって、赤血球の内部のヘモグロビンが血液中に放出され、消化管や尿路系から出血する場合もあります。
そうすると、体内の鉄分が不足する事になります。
また、運動をして大量の汗をかく事で、鉄の排出量が増加する場合もあります。
これらの要因によって、運動後は鉄分不足になりやすいから、運動後には鉄分を補給するべきなんです。

 

鉄分が不足した場合

鉄分が不足すると、貧血を起こすだけでなく運動におけるパフォーマンスにも影響を与えてしまいます。
鉄分が不足したまま、さらに運動を行うと、発汗などで鉄分が排出されて必要な酸素が体に行き渡らなくなり、エネルギーを産生しにくくなりますから、持久力が低下してしまうんです。
また、鉄分が不足すると、筋肉中にあって必要時に酸素を供給するミオグロビンという色素たんぱく質も不足し、筋肉に酸素が行き渡りにくくなるため、疲労感や筋力の低下を引き起こすこともあるんです。
だから、運動には鉄分が必要だと言えるんです。

 

どれぐらいの鉄が必要?

日本人の一日の鉄の必要量は、厚生労働省が策定した食事摂取基準(2015年版)によると、成人男性で7.0〜7.5r、月経のある成人女性で10.5rとなっています。
ただ、食事から鉄を摂ろうとしても、鉄は吸収率が低く、食事からの鉄の吸収率は10〜15%程度だと言われています。
また、足裏で赤血球を破壊してしまうような激しい運動を定期的に行う人は、その分の減少リスクを考えて、3割増しぐらいの鉄分が必要だとされています。

 

鉄の摂り過ぎは危険?

鉄分

 

鉄分は、貧血予防や運動をする人には欠かせないミネラルですが、過剰摂取も避けなくてはいけません。
鉄分を過剰摂取した場合、嘔吐や吐血、腹痛、下痢、けいれん発作、意識消失などの症状が起こる場合があります。
また、長期間にわたって過剰摂取を続けると、肝硬変や脂肪肝などの重度の病気を引き起こす危険性もあるんです。
ただ、先ほどの厚生労働省の食事摂取基準によると、鉄分の一日の耐容上限量は、成人男性で50r、成人女性で40rとなっています。
耐容上限量とは、ほとんど全ての人が過剰摂取による障害を起こす危険のない最大摂取量の事で、この上限量を超えなければ安全だという事です。

 

鉄分が多いとされる豚レバーでも、100g中に含まれる鉄分は13rですから、普通に食事をしている分には、まず過剰摂取になる事はないでしょう。
過剰摂取になるとすれば、サプリメントなどを利用した場合ですが、その場合でも指定された用法・用量を守っていれば心配はありません。

鉄分不足をチェックしよう!

 

実はあなたも鉄分不足?
様々な症状からわかる鉄分不足チェック表はこちらからご覧下さい!
>鉄分不足の症状チェック表